名称    :   山梨 土間のある家 (ビルテック株式会社)

所在    :    山梨県

HP       :   山梨 土間のある家 (ビルテック株式会社)

HP       :   山梨 土間のある家 (ON Time Design Office一級建築事務所内)

設計士の深澤賢治氏(ON Time Design Office一級建築事務所)とチームビルテックが生み出した個性的な作品。

「主人の実家と、母の実家が理想の家です」という奥様のご希望から、近所の子供たちがはしゃぎ回る濡れ縁のある、古き良き昭和
の香りが感じるようなお家を、施主様、ビルテック、深澤賢治氏が一緒に考えだした家。

個性的な外観と、よく考えられた内部設計、それらを実現した職人の気質が品質の高さを物語る。

<設計模型>

家を建てる多くの方が目にする設計模型、

白いモデルを見て施主だけでなく、多くの
人達が、この小さな空間に大きな夢を馳
せる。

<基礎構築>

基礎工事が完了した絵である。

基礎の打継部分(ベースと立ち上がりの継ぎ目)が
地面より下になるので、ビルテックさんは、きちんと
防水処理を施します

<設備配管工事>

一次埋戻しが完了したら、設備配管工事を行う。

みえなくなってしまうだけに、大事な工事であると云う。

<手キザミ>

住宅建築でのプレカットとは、木工事部分について、
現場施工前に工場などで 原材料を切断したり加工
を施しておくことをいう。

これに対し、手キザミとは、現場で大工さんが自ら柱
などを加工する事をいう。

大きな違いは、木のくせ(曲りなど)を見ながら、適材
適所に使っていく所、様々な継手を駆使し、組み上げ
ていく所が最大のメリットとのこと。

<土台敷き>

土台と呼ばれる敷木が、基礎の上にのせられてい
る。 材は腐朽菌や湿気に強い桧材、赤い様な色
をしているのは越井木材さんの防蟻処理「赤い柱」
を施してあるからだ。

材をまるごと、真空加圧の釜に入れて、木材の中の
空気をぬき、防蟻処理液をいれ、更に加圧して材の
芯まで防蟻処理を行うという優れものだ。

塗るだけの防蟻処理より遥かに高性能な処理で、
これを行うと家の耐久性が格段にあがる。

<追掛大栓継>

伝統の技 「追掛大栓継」

素晴らしい!

かっこいい!

すごい!

<金輪継>

でた大技、 「金輪継」

追掛大栓継は縦方向からの継方に対して、金輪継
は横方向からの継手、

伝統的継手の中でも強固なもののひとつで、あらゆ
る方向に強度が得られる。

性能も高いが技が必要、大技である。

<垂木(たるき)を流す>

軒桁-母屋-棟木の上に等間隔に渡される垂木を取
り付けることを 垂木を流すと云う。

垂木の上に野地板や構造 用合板などを張り、屋根
下地とするわけだ。

<内部造作工事>

外部廻りの断熱材を充填し、窓枠材(窓額縁)を組み
立てて取付。 2階の床からの「音」対策その1石膏
ボードを捨て張りしてある。

木枠(引き戸の枠など)を取付、巾木を取付る。

え? 先に巾木? ビルテックさんでは欠きこみのあ
る巾木を先に取り付けて、床工事を最後に行う。

床の傷の軽減につながるからだそうである。

なるほど。

<外壁中塗り>

壁の下地の上(ザラ板)にフェルトと呼ばれる防水紙を
張り、ラス網を張りつけ、モルタルで下塗り、その後
ひび割れ、収縮等を十分に発現させる為、2週間の
養生期間をおく、

この絵は養生後のモルタル中塗りの様子。

中塗り後にも十分な養生期間をとる。

<内部の壁を塗る。>

壁や、一部の天井はAICA(アイカ工業)のジョリパッ
トシルキーパレットという商品を塗る。

調湿性や、建物の動きに追随する弾性な材料と云う。

「漆喰、珪藻土も素晴らしい材料ですが、壁の隅(入
隅)等に割れがどうしても発生しますので、弾性の材
料ですと美観が長く維持できます。」

とのこと。

<床張後の塗装>

亜麻仁油を主体とした英国生まれの塗料ワトコオイ
ルを塗る。

ちなみに、亜麻仁油は、成熟したアマの種子から得
られる、黄色っぽい乾性油(空気に触れると固まる油)。

食用のほか、油絵具のバインダーや木製品の仕上
げなどに用いられるもの。

<洗出し仕上げ>

洗出し仕上げは、コンクリートやモルタルに砕石や玉
砂利などの骨材を混ぜて塗り、完全に乾かないうちに
水で洗って表面に石の粒が浮き出るようにしたもの。

昔ながらの仕上げ工法のひとつ。

<外観>

シャープな感じの片流れの大屋根、軒裏を黒くすることで、一段と重みのある雰囲気に仕上がっている。

着色の無垢材が外壁部に張られ、焼き杉の浮造の柱で、ずいぶんと良い意匠となっているではないか、

木を上手に使った外構工事も素晴らしい。

<外観>

この角度もかっこいい。

<玄関外観>

玄関は引き戸で、YKKap のスライディング
ドアコンコード 炭板 であろうか、

玄関のライトがいい感じ。

<玄関をあけると土間>

昔ながらの仕上げ方法の左官の技術、洗い
出しによる仕上げ。

居住空間と収納空間をうまく分ける様に考え
られており、通り抜けることができるので、裏
の家庭菜園までスムーズに出入りできる。

風通しも抜群。

<釿(ちょうな)仕上げの敷台>

大久保棟梁渾身の釿による名栗加工の敷台。

これはなかなかの貫禄。

横に見える建具は、奥様の提案で古民家にて
使われていたものを入手し、高さを調整してし
つらえたもの。

素晴らしい。

<リビング>

美しい梁である。しかも、古材ではなく新材。 新品の材をバーナーで焼き、浮造りをすることによりこの存在感をだしていると云う。

この梁のコントラストで吹き抜け感が一層強まり、よい味を出している。 床のオイル仕上げ、建具、壁材の調和が美しい。

<無垢板の階段>

段差がわかるように、あえて、段鼻に目立つ塗装をした違
う木(タモ)を入れて仕上げてある。

踏み外さない様にとの工夫である。

<2階キャットウォーク>

この質感、やはり本物は違いますね。 いや~、本当にいい仕事してますよ。

<書斎>

階段を上がったホールを利用した書斎。

吹き抜け空間と一体とすることで、互いの
存在が分かるようにした配慮だと云う。

<寝室>

畳ベッドをつくりつけてある。

<収納>

キャットウォークを抜けると、屋根裏のデッド
スペースを利用した収納が、広さは3畳ほど
ありたっぷり収納できる。

『山梨 土間のある家』 個性的な設計と、創意工夫に富み、かつ、基本を外さないしっかりした施工で、美しい外観と、

機能的で個性的な内装をもつ、調和のとれた作品に仕上がっていると、筆者は考える。


木造住宅を完成させるには多くの工程を経るが、今回ご覧頂いたように、ひとつひとつが作品の要となる工程であり、

どの工程も決して手抜きなどしてはならないものである。

見えなくなってしまうところにこそ、本当の技と信念をった作業が必要となるわけだ。

そういった意味においても、この作品は、木造住宅の本当の価値の高い作品と云えるだろう。

施主になられる方は、家をたててもらう相手を選ぶ際に、是非参考にして頂きたい。