名称    :   新平湯温泉 郷夢の宿 山ぼうし (高山市都市景観賞受賞)

所在    :    岐阜県高山市奥飛騨温泉郷一重ヶ根832

HP       :   郷夢の宿 山ぼうし ホームページ

                      HP       :   郷夢の宿 山ぼうし (安藤建築設計工房 ホームページ内)

美しい絵である。

北アルプスの大自然に囲まれた奥飛騨温泉郷、その中心にある新平湯温泉に2007年8月に新築オープンした 飛騨造り 木造
2階建て 郷夢の宿 山ぼうし。

「郷夢」とは「故郷に帰る夢」「故郷を思う夢」という意味だそうで、その想いの通り飛騨づくりの美しさがあたたかみのある素敵な宿
に仕上がっている。

建築設計は数々の美しい建屋を手掛けてきた長野県上田市にある安藤建築設計工房。新平湯温泉通り沿いにあった「民宿原田」
を建て替え、飛騨地方の古民家も移築。温泉街の表道りを飾り「高山市都市景観賞」を受賞している

建屋の素晴らしさも然る事ながら、特筆すべきはこの宿の驚愕の評価である。じゃらん口コミ総合評価 5満点中 4.8点 楽天ト
ラベル4.88点この高評価をわずか3年余りで得ている。
仲居さんがとても気使いがある、料理も手間がかけてありおいしいと、今後も目が離せない宿である。

<玄関>

飾り過ぎない玄関が、建屋そのものの美
しさを感じさせてくれる。

古くから高い建築技術を誇った飛騨の大
工達「飛騨の匠」。

彼らの建築の特徴である「雲(くも)」とよば
れる軒下の小腕の先端を白く塗った装飾
は建屋を印象付ける美しいもの。

明かりを灯せばこの風情。
奥飛騨を訪れたかいのある美しい玄関で
ある。

<ロビー>

吹き抜けの広々としたロビーである。

黒く立派な梁が美しく磨きあがり、真壁に映えている。

古民家を訪れたかのようだが、館内はとても清潔に保
たれており、決して古臭くない。

まさによく手入れされた木造建築の美しさがここにある。

<待合室>

落ち着いたよい雰囲気の待合室。

格子戸にイスやソファーを配しながら和、
洋を融合させた見事な仕上がり。

寛ぎをもたらす最高の空間である。

<ロビーにある暖炉>

美しい絵である。

梁に仕込まれた明かりが、石積みの壁
と曲線と直線を影とする中央の暖炉を
見事に浮かび上がらせ格子戸、柱、梁、
天井、壁の直線美がこれを引き立てる。

イスにテーブル、暖炉という洋の素材を
配しながら力強い陶芸家の焼き物を見
るような斬新な試みであるが、かつての
日本貴族の館の一室を思わせる郷愁と
美しさを醸し出す見事な空間である。

すばらしい。

<客室 福寿草>

郷夢の宿 山ぼうしの客室数は10室、その中でも個性的な美しさを有する部屋である。

部屋に巡らされた桁を見せることにより、完全な古民家和室にベッドをきれいに納めてある。中央の明かりが、どこか大正を思わせ全
体を引き締める。

低い塗り箪笥の上に液晶テレビ、枕元にアートなランプ、これがどこか微笑ましくこの部屋を楽しげな空間に演出している。
木の美しさと日本の伝統美を基本としながらも、寛ぐ楽しさを感じさせてくれるなかなかの部屋である。

<客室 福寿草 囲炉裏の間>

宿泊先でこんな楽しみがある宿もそうは
ない。
全客室に囲炉裏が設えてあるのだ。

これは実際に火を熾すことが出来き、炭
や火箸もある。

タモ床に施された「なぐり」の漆ぬり仕上
げが足に気持ち良く見た目にも楽しい。

夜、囲炉裏を囲めば自分達だけの特別
な空間を味わうことが出来るであろう。

<客室 石楠花>

和室10畳と囲炉裏の間、半露天風呂付きという粋な和室。

客室 福寿草とはがらりと変わり、シャープで細い材を多数用い、明かり障子に吐き出し窓と雪見障子、低い木造りの手摺を配した縁
がこれまた良く繊細な美しい部屋である。

明かりも丸くし繊細さを持たしているが、板の間に置かれた重厚な椅子と、畳に置かれた豪胆な座卓の組合せがおもしろく、郷夢の宿
山ぼうしの味わいを深めていて、洗練された完成度のある素晴らしい一室となっている。

<客室 石楠花 半露天風呂>

これは粋な湯屋である。

無垢張りの壁と大き目のタイルが絶妙
のバランスで配されている。
また、曇りガラスの障子の使い方がとて
も素晴らしい!

湯船に浸かると障子の下からの景色が
目線となり、隠れ湯屋に浸かるような粋
な時間を味わえる。

なかなかのもの。

<内風呂 四季の湯 男湯>

木のぬくもりを味わう内風呂とその奥に
岩の露天風呂があり、男女別々ゆっくり
と楽しむことが出来る。

そのほかにも、24時間予約無し無料で
入れる貸切露天風呂が2つあり宿泊客
を喜ばせている。

奥飛騨の自然の中でゆったりと浸かれ
ば心も体も癒されるであろう。

<中庭>

湯上りに中庭を眺めるのもまたいい。

山ぼうしにはこのようなスペースがいくつ
も設けてある。

このような空間は用意してあるという事が
うれしい。

そこで寛いでいる自分を想像しただけで
も幸せな気持ちになる。

<談話室>

客室棟2階にはゆったりと寛げる談話室もある。本やパソコンが設置されており、インターネットも利用できるという。
床の矢羽張りが美しく、しっとりとしたテーブルやイスとの色合いがまたいい。
山ぼうしの名にふさわしく、山小屋を思わせるここちの良い空間。

テーブルに置かれたひまわりが素晴らしい。

<お食事処 たるま>

かつて、この地に行幸された村上天皇に「たる」と呼ばれる美少女が水を謙譲したところ、天皇の病が治ったという「たるま姫伝説」か
らその名を拝した「お食事処 たるま」。奥飛騨の旬の味覚を存分に味あわせてくれる。

両脇に玉砂利を配した石造りの通路、天井には荒い梁と小さな小屋根、凹凸でしつらえた塗り壁、その向かいにはよく磨かれた無垢
板の踏み台、上部を開けた障子戸、その上には板張りの壁、どんな部屋に通されるのか楽しみになるような、なんとも美しい空間。
部屋に入ると「横ずり」を施したタモの床板に掘りごたつ、その横には大きな石造りの囲炉裏、なんとも味わい深い造りではないか。
一品一品運ばれてくるお料理には、飛騨牛握り寿司や奥飛騨の旬の野菜たち、囲炉裏で焼いて食べる岩魚の塩焼きなどどれをとっ
てもうまいものばかり

素材のうまさを堪能させてくれる至福のひとときがここにある。

<飛騨牛握り寿司>

美味で知られる飛騨牛、そのトロの所をさっと炙ってた
たきにした大トロを冠する飛騨牛の握り。

これはたまらない。

<奥飛騨の旬の野菜たち>

色鮮やかな奥飛騨の旬の幸、並ぶ器も美しく本物の素
材のうまさが並ぶ。

お見事!

<囲炉裏料理>

囲炉裏で、旬の魚を炙りつつ、飛騨牛と地の野菜の瓦
焼きとは恐れ入った。

食の楽しみの原点を思い出させてくれる、「お食事処 
たるま」、一度と言わず入り浸りたい名店である。

<玄関「どーじ」>

けやき造りのくぐり障子戸と明り格子を備
えた大戸が美しい。

上部の塗り壁に、見事な無垢の壁板、こ
れが玉じゃりと石の床を配して、なんとも
思考深い。

紫の和傘がよく似合う。

山ぼうしホームページに

「建物を囲む木々、静かな環境の中でゆっくりとした時間を過ごす。それ以外には何もない。そんなところが当館です。」とある。

ありげなフレーズだが実を見ると軽々しい言葉ではなく思えてくる。

「建物を囲む木々、静かな環境の中でゆっくりとした時間を過ごす。」誰もが理想とするひとときだが、山ぼうしを見て言葉では

たやすいが実現する手段をここまで考えさせられたことは無い。

その為に山ぼうしは、何をせねばならず、何をしてはいけないのか教えてくれる。

建屋、料理、しつらえ、もてなしに至るまでそれを追求し、その道から外れることはすべて排除する。

まさに、「それ以外に何もない」のである。

山ぼうしに泊まった人達が、忘れていた宝物を見つけたようなコメントを残すのも、また必ず来たいとコメントを残すのも納得で

ある。貴重な日常から時間が空いたなら、いや何とか時間をひねり出してでも是非とも訪れたい宿である。

予約はお早めに。

詳細はホームページ参照のこと。